ハイスピードカメラと「授業」:東京学芸大学附属高等学校篇
東京学芸大学附属高等学校様の「無重力実験講座」にて、先生と生徒が共同で「自由落下運動による無重力の瞬間」を創り実験するプロジェクトが行われ、そこで当社のハイスピードカメラをご使用いただきました。
技術・製品・サービス 働き方・教育・制度 パートナーシップ・共生・地域貢献
貢献する主なSDGs(持続可能な開発目標)
東京学芸大学附属高等学校「無重力実験講座」とは
この活動は、東京学芸大学附属高等学校のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)研究開発事業の一環である「SSH特別授業」として、3年前から始まったもので、東京学芸大学Explayground推進機構の「無重力探究ラボTGμ」をはじめとして、いくつかの外部団体と附属高校が連携しながら運営しています。平日の放課後や休日に先生と生徒が一緒になって、自由落下運動により無重力の瞬間を創り実験するプロジェクトです。
実験の詳細と先生・生徒の感想
今回は、千葉県習志野市にある日本大学生産工学部の津田沼キャンパス内にある落下塔で実験を行い、その模様をハイスピードカメラで撮影。実験の詳細および感想を、先生・生徒からお聞きしました。
実験内容
今回は、「無重力下での液体・気体の振る舞い」と「毛細管現象」の2種類の実験を実施。前者は、表面張力の影響が顕著となる無重力状態で円管内の液体と気体がどのように振舞うのかを、円管の内径と気液界面の形状と関連付けて調べるための実験。後者は、無重力状態での毛細管現象の液面高が、流体力学の理論的な予測と一致するかを検証するための実験です。
ハイスピードカメラで撮影した実験動画
ハイスピードカメラの活用により得られたこと
これまでの実験ではスマートフォンのカメラを使い撮影していたため、撮影スピードの変更やピントの調整などができませんでした。しかし、ハイスピードカメラを活用したことで、撮影スピードやシャッタースピード、ピントや明度の調整などの高度な調整が可能となり、非常に質の高いデータを収集することができました。
さらに、ハイスピードカメラとPCを無線LAN接続し、実験装置の外から上記の調整ができたため、リアルタイムで現象を観察することができたり、照明のバッテリーの消耗を最小限に抑えることもできました。収集した動画データの解析も、専用のソフトウェアを用いることで詳細かつ高度な解析が可能となり、これまでできなかった解析までできるようになりました。
先生の感想
本格的なハイスピードカメラを用いた実験は初めてだったため、生徒にとって非常に良い経験になったと思います。
機材をお借りしてから実験当日までの約1週間という短期間で「撮影用落下カプセルの改良や調整」から「カメラでの撮影とデータの保存・解析の練習」まで行ったため、非常にやるべきことが多く生徒にとっては大変だったかもしれません。ですが、本格的なハイスピードカメラを使用できることがモチベーションとなったのか、最後まで集中して実験を行うことができました。
なお、収集した実験データは解析し、その成果を外部発表で発信していく予定です。この作業においてもフォトロンのソフトウェアを活用させていただいております。
実験を終えたばかりですが、「次もぜひハイスピードカメラを使ってこんな実験がしたい」と生徒たちは意欲を燃やしています。
生徒の感想
撮影している映像をリアルタイムで見ることができたため、実験直前までセットアップの調整を行えてよかったです。また、撮影した映像の解析がすぐにその場でできることも良かったです。
撮影スピードがスマートフォンの10倍以上でできるのがすごいと思いました。カメラの耐重力性能も高く、安心して落下実験に使用できました。
今後の活動について
無重力実験チームでは「10年後の宇宙生活を豊かに」をテーマとして、無重力状態での様々な実験や観察に取り組んでいます。10年後、宇宙はただ行くだけの場所ではなく、そこで生活していくことが当たり前の場所になっているかもしれません。
その時にただ生きるための最低限の環境が整っているだけでなく、「豊かに」生活できるよう様々なアイデアを開発したり検証したりする必要があります。現在取り組んでいる一つ一つの実験は地道な基礎研究かもしれませんが、これらの成果が積み重なり、いつか宇宙生活を豊かにするアイデアを創造できると考えています。
皆さんもぜひ私たちと一緒に無重力実験で探究しませんか?
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